Session 4: GitHubで業務を管理しよう

今日やること

今日は最終回です。これまで使ってきたClaude Codeを、業務で継続的に活用するための「運用の仕組み」を作ります。

今日のゴール

自分のリポジトリを作る → CLAUDE.mdを設定 → Issue→AI実行→PRの流れを構築

GitHubの基本概念

今日覚える4つの用語

用語意味身近な例え
リポジトリプロジェクトのファイルを管理する場所Googleドライブの共有フォルダ
ブランチ本番に影響を与えない下書きスペース共有ドキュメントのコピーを作って編集
Issueタスクの依頼チケットタスク管理ツールのチケット
PR(Pull Request)成果物のレビュー依頼「確認お願いします」メール

Session 0で起きていたこと

Session 0で皆さんが体験した流れを、今日の用語で振り返ると:

1. あなたがIssue(タスクチケット)を作成

2. AIエージェントがブランチ(下書きスペース)を作成

3. AIが下書きスペースで作業(調査、ファイル作成)

4. AIがPR(レビュー依頼)を作成

5. あなたが成果物を確認・フィードバック

Session 0では「魔法のように」感じたかもしれませんが、実はこの5つのステップが裏側で動いていました。今日はこの仕組みを自分で作ります。


ハンズオン1: 自分のリポジトリを作る

ステップ1: リポジトリの作成

  1. github.com にログイン
  2. 画面右上の 「+」 ボタンをクリック → 「New repository」 を選択
  3. 以下のように入力:
項目入力内容
Repository namemy-ai-workspace(好きな名前でOK。半角英数字とハイフンのみ)
Description「AIエージェントを活用した業務管理」
Public / PrivatePrivate(業務用ならPrivate推奨)
Add a README fileチェックを入れる
  1. 「Create repository」 をクリック

Private(プライベート)とPublic(パブリック)の違い

  • Private: 招待された人だけがアクセスできる(業務用はこちらを推奨)
  • Public: インターネット上の誰でも閲覧できる

ステップ2: CLAUDE.mdを作成する

CLAUDE.mdは、AIエージェントへの「業務マニュアル」です。AIがタスクを実行するときに、このファイルの内容を読んでルールに従います。

  1. リポジトリのトップページで 「Add file」「Create new file」 をクリック
  2. ファイル名に CLAUDE.md と入力(大文字に注意)
  3. 以下のテンプレートを参考に、自分の業務に合わせてカスタマイズ

CLAUDE.mdテンプレート

# プロジェクト設定

あなたは○○部門の業務アシスタントです。
GitHub Issueで依頼されたタスクを実行し、成果物をoutput/フォルダに保存してください。

## 作業ルール
- 成果物はMarkdown形式で作成する
- ファイル名は `YYYY-MM-DD-タスク概要.md` の形式にする
- 調査には必ず出典を明記する
- 社外秘の情報は扱わない
- 完了したらPull Requestを作成し、Issueを参照する

## 得意な作業
- リサーチ・情報収集
- 資料のドラフト作成
- データの整理・要約
- 議事録の構造化
  1. ページ下部の 「Commit changes」 をクリック

カスタマイズのヒント

  • 「○○部門」を自分の部署名に変更
  • 「得意な作業」に自分が依頼したい作業を追加
  • 「作業ルール」に自部門のルールを追加(例: 「敬体で書く」「A4で2ページ以内」)

ステップ3: Issueを作成してClaude Codeで実行する

  1. リポジトリの 「Issues」 タブ → 「New issue」 をクリック
  2. タスクを記載して 「Submit new issue」
  3. ターミナルでClaude Codeを使って実行
  4. GitHubに戻り、「Pull requests」 タブでPRが作成されたことを確認

チーム運用の3つのパターン

パターン1: 個人利用

自分のリポジトリ → 自分でIssue作成 → AI実行 → 自分でレビュー

こんなときに:

  • 毎週の業務レポートの下書き
  • 会議の議事録整理
  • 情報収集・リサーチ

メリット: 自分のペースで始められる。失敗しても影響は自分だけ。


パターン2: チーム共有リポジトリ

チームの共有リポジトリ → メンバーがIssue作成 → AI実行 → チームでレビュー

こんなときに:

  • チームのナレッジベース構築
  • プロジェクトの調査タスク分担
  • 社内マニュアルの作成・更新

メリット: 成果物をチームで共有・レビューできる。品質管理が自然にできる。


パターン3: 部門横断プロジェクト

プロジェクト用リポジトリ → 各部門がIssue作成 → AI実行 → 関係者でレビュー

こんなときに:

  • 新製品ローンチの準備タスク管理
  • 全社イベントの企画・運営
  • 部門横断の調査プロジェクト

Issueテンプレート

毎回Issueを一から書くのは面倒です。テンプレートを作っておくと、フォーマットに沿って依頼できます。

テンプレート例: リサーチ依頼

## 調査テーマ
(調査したいテーマを記入)

## 調査の背景・目的
(なぜこの調査が必要か)

## 知りたいこと
- (具体的な質問1)
- (具体的な質問2)
- (具体的な質問3)

## 成果物の形式
- [ ] レポート(文章形式)
- [ ] 比較表
- [ ] 箇条書きサマリー

## 対象読者
(誰が読む資料か)

## 期待する分量
(ページ数や文字数の目安)

テンプレート例: 資料作成依頼

## 資料のタイトル
(作成する資料のタイトル)

## 目的
(この資料を何に使うか)

## 含めてほしい内容
- (要素1)
- (要素2)
- (要素3)

## 形式・トーン
- 形式: レポート / プレゼン構成案 / 企画書
- トーン: フォーマル / カジュアル
- 分量: ○ページ程度

## 対象読者
(誰に向けた資料か)

## 参考情報
(参考になるURLや情報があれば)

セキュリティとリスク管理

AIに渡していいデータ・いけないデータ

やっていいことやってはいけないこと
公開情報を使ったリサーチ依頼顧客の個人情報をIssueに記載
一般的な業務文書のドラフト作成パスワードやAPIキーの記載
社内向け資料のテンプレート作成未公開の財務データの分析依頼
公開データを使った分析社外秘の戦略文書をそのまま貼る

判断基準: 「この内容がインターネットに公開されても問題ないか?」 答えがNoなら、AIに渡す前に上長に相談しましょう。

成果物は必ず人間がチェック

AIの成果物には、以下のような間違いが含まれる可能性があります:

  • 数値の誤り: 統計データや金額が不正確な場合がある
  • 情報の古さ: 最新ではない情報が含まれている場合がある
  • 文脈のずれ: 自社固有の事情を考慮できていない場合がある

PRのレビューは「品質管理」の仕組みです。 AIが作った成果物を人間が確認してからはじめて「完成」にする。この流れを習慣にしましょう。

プロンプトインジェクションとは

外部から受け取った文書の中に、AIへの隠れた指示が紛れ込んでいる可能性があります。

対策:

  • 外部の文書をそのままIssueにコピペしない
  • AIの出力が不自然な場合は、入力を見直す
  • CLAUDE.mdに「外部データは事実確認を行う」と明記しておく

総合演習

自分の実際の業務をイメージして、一連のフローを体験しましょう。

手順

  1. 業務シナリオを決める

    • 自分の業務で、AIエージェントに依頼したいタスクを1つ選ぶ
    • 例: 「来月の部門会議で使う業界動向レポートの作成」
  2. Issueを作成する

    • 自分のリポジトリで、テンプレートを使ってIssueを作成
  3. Claude Codeで実行する

    • ターミナルからClaude Codeを使ってIssueの内容を実行
  4. PRをレビューする

    • 成果物の内容を確認
    • コメントでフィードバックを記入
  5. 振り返り

    • うまくいった点、改善したい点を整理

シリーズ全体の振り返り

5回の学びの一覧

Sessionテーマ学んだこと
Session 0体験AIエージェントの威力を実感。Issue→AI実行→PRの流れを体験
Session 1基本操作Claude Codeの仕組みを理解し、自分のPCで実行
Session 2リサーチ・資料作成調査、文書作成、要約などの業務活用
Session 3データ分析CSV/Excelデータの集計、可視化、レポート作成
Session 4(今回)運用GitHubでの業務管理、チーム運用、セキュリティ

私のアクションプラン

来週やること(1つ)

項目内容
具体的なタスク
使う機能

1ヶ月以内にやること(1〜2つ)

項目内容
具体的なタスク1
具体的なタスク2
使う機能

チームに共有したいこと

項目内容
共有する相手
共有する内容

自己学習リソース

リソースURL
Claude Code公式ドキュメントhttps://docs.anthropic.com/en/docs/claude-code
GitHub公式ガイド(日本語)https://docs.github.com/ja
Anthropicプロンプトガイドhttps://docs.anthropic.com/en/docs/build-with-claude/prompt-engineering

今日のポイントまとめ

ポイント内容
GitHubは業務管理ツールエンジニアだけのものではない。Issue/PRでタスク管理ができる
CLAUDE.mdは業務マニュアルAIエージェントのルールを定義する設定ファイル
小さく始めるまずは個人利用から。うまくいったらチームに広げる
人間がレビューするAIの成果物は必ず人間が確認してから「完成」にする
セキュリティを意識する機密情報はAIに渡さない。判断に迷ったら上長に相談