Session 1: AIエージェントを理解し、動かしてみよう

今日やること

今日は、AIエージェント「Claude Code」を自分のPCにインストールし、 実際にタスクを依頼して成果物を作ってもらいます。

今日のゴール

1. AIチャットとAIエージェントの違いを理解する
2. ターミナルの基本操作ができるようになる
3. Claude Codeをインストールして、最初の指示を出す
4. CLAUDE.md(AIへの引き継ぎ書)の役割を理解する

AIチャットとAIエージェントの違い

AIチャット(普段使っているもの)AIエージェント(今日使うもの)
例えると相談相手仕事を任せられる部下
できること質問に答えるタスクを受けて自律的に実行する
やりとり一問一答依頼 → 計画 → 実行 → 成果物の提出
結果チャット画面の中だけPCにファイルとして残る
【AIチャット】
  あなた:「提案書の構成を考えて」
  AI:    「1.背景 2.課題 3.提案 4.効果 がよいでしょう」
  あなた:(自分でWordを開いて書き始める)

【AIエージェント】
  あなた:「提案書を作成して」
  AI:     ① タスクを理解する
          ② 必要な情報を集める
          ③ ファイルを作成する
          ④ 「できました、確認してください」

ステップ1: ターミナルを開く

ターミナルとは: マウスの代わりに、文字(テキスト)でPCを操作する画面です。 見た目は違いますが、やっていることはフォルダを開いたりファイルを見たりするのと同じです。

Mac の場合

  1. キーボードで ⌘(Command)+ スペース を押す
  2. 「ターミナル」と入力して Enter

Windows の場合

  1. スタートメニュー(画面左下)をクリック
  2. 「PowerShell」と入力して開く

安心ポイント: ターミナルで間違ったコマンドを打っても、PCは壊れません。 「そんなコマンドはありません」と言われるだけです。安心していろいろ試してください。


ステップ2: 3つの基本コマンド

ターミナルで使うコマンドは、今日はたった3つだけです。

コマンド1: pwd — 今どこにいるか確認する

$ pwd
/Users/tanaka

「Print Working Directory」の略。今自分がいるフォルダの場所を表示します。

コマンド2: ls — フォルダの中身を一覧表示する

$ ls
Desktop    Documents    Downloads    Music    Pictures

「List」の略。今いるフォルダにあるファイルやフォルダを一覧表示します。 Finder(Mac)やエクスプローラー(Windows)でフォルダを開いたのと同じです。

コマンド3: cd — フォルダを移動する

$ cd Desktop

「Change Directory」の略。指定したフォルダに移動します。 フォルダをダブルクリックして開くのと同じです。

元に戻る: cd ..(ドット2つ)で、一つ上のフォルダに戻れます。

まとめ

pwd = 今どこにいる?
ls  = ここに何がある?
cd  = 移動する

ステップ3: Node.jsが入っているか確認する

Claude Codeを動かすために、Node.js(プログラムの実行環境)が必要です。 事前にインストール済みのはずですが、念のため確認しましょう。

$ node -v
v20.11.0

バージョン番号が表示されればOKです。

エラーが出た場合: 手を挙げて講師に相談してください。


ステップ4: Claude Codeをインストールする

以下のコマンドをターミナルに入力して Enter を押してください。

$ npm install -g @anthropic-ai/claude-code
  • npm = Node.jsの「アプリストア」のようなもの
  • このコマンドで、Claude CodeをインターネットからPCにインストールしています
  • 画面に文字がたくさん流れますが、赤い文字のエラーが出なければ問題ありません
  • 完了まで1〜2分かかります

Macでエラーが出た場合:

$ sudo npm install -g @anthropic-ai/claude-code

と入力してください(先頭に sudo を追加)。パスワードを聞かれたら、PCのログインパスワードを入力してください(文字は表示されませんが、入力はされています)。

Windowsでエラーが出た場合: PowerShellを一度閉じて、「管理者として実行」で開き直してから、再度コマンドを実行してください。


ステップ5: APIキーを設定する

APIキーとは、Claude Codeが「正規の利用者です」とサーバーに証明するための暗証番号のようなものです。 講師から配布されたキーを使います。

Mac の場合

$ export ANTHROPIC_API_KEY=sk-ant-xxxxxxxxxxxxxxxx

Windows(PowerShell)の場合

$ $env:ANTHROPIC_API_KEY="sk-ant-xxxxxxxxxxxxxxxx"

sk-ant-xxxxxxxxxxxxxxxx の部分を、講師から受け取った実際のキーに置き換えてください。

重要: APIキーは他の人に教えたり、SNSに載せたりしないでください。 クレジットカード番号と同じくらい大切な情報です。


ステップ6: Claude Codeを起動する

$ claude

起動すると、以下のような画面が表示されます。

╭──────────────────────────────────────────╮
│ ✻ Welcome to Claude Code!                │
│                                          │
│   /help for help                         │
│                                          │
╰──────────────────────────────────────────╯

>

> マークが出たら、Claude Codeに指示を出せる状態です。

試しに話しかけてみましょう

> こんにちは。あなたは何ができますか?

返事が返ってくれば、正常に動いています。


ステップ7: 作業フォルダを作ってタスクを実行する

Claude Codeを一度終了して、作業用のフォルダを作ります。

7-1. Claude Codeを終了

> /exit

7-2. 作業フォルダを作成して移動

$ cd ~/Desktop
$ mkdir my-first-project
$ cd my-first-project
  • mkdir =「Make Directory」の略。新しいフォルダを作るコマンドです
  • デスクトップに my-first-project というフォルダが作られます

7-3. Claude Codeを再起動

$ claude

7-4. タスクを依頼する

以下のテンプレートから好きなものを選んで、自分の業務に合わせてアレンジしてください。 そのまま使ってもOKです。

テンプレートA: 業界リサーチ

> 2025年のSaaS業界の主要トレンドを5つ調査し、report.md というファイルに
  まとめてください。各トレンドについて、概要と具体的な事例を含めてください。

テンプレートB: 比較分析

> リモートワークとオフィスワークのメリット・デメリットを比較した表を
  comparison.md というファイルに作成してください。

テンプレートC: 企画書

> 新入社員向けのビジネスマナー研修の企画書を training-plan.md という
  ファイルに作成してください。60分の研修を想定してください。

7-5. 権限確認に応答する

Claude Codeが作業中に、以下のような確認が表示されることがあります。

Claude wants to create file: report.md
Allow? (y/n)

これは「ファイルを作ってもいいですか?」という確認です。 y を入力して Enter を押してください。

これは安全装置です。 AIエージェントが勝手に危険な操作をしないよう、 必ず人間の許可を求めるようになっています。

7-6. 成果物を確認する

作業が完了したら、ファイルが作成されているか確認しましょう。

$ ls
report.md

デスクトップの my-first-project フォルダを開くと、 ファイルが実際に作成されていることが確認できます。 ダブルクリックして中身を読んでみましょう。

7-7. 追加指示を出してみる(任意)

ファイルの内容に修正を加えたい場合は、Claude Codeに追加指示を出せます。

> report.md の3番目のトレンドについて、もう少し具体的なデータを追加してください。
> report.md の内容を表形式に整理し直してください。

ステップ8: CLAUDE.md を作ってみる

CLAUDE.md とは?

CLAUDE.md は、AIエージェントへの「引き継ぎ書」です。 プロジェクトフォルダ(作業フォルダ)に置いておくと、Claude Codeが毎回自動的に読みます。

my-first-project/           ← プロジェクトフォルダ(AIの仕事場)
├── CLAUDE.md               ← AIへの引き継ぎ書(毎回自動で読まれる)
├── report.md               ← AIが作った成果物
└── ...

メリット: 毎回「日本語で書いて」「出典を入れて」と言わなくてよくなります。

CLAUDE.md を作ってみよう

Claude Codeに以下のように依頼してみましょう。

> このプロジェクトのCLAUDE.mdを作成してください。
  以下の内容を含めてください:
  - あなたの役割: ビジネスリサーチアシスタント
  - 成果物は日本語で作成すること
  - ファイル形式はMarkdown
  - 調査には出典を明記すること

CLAUDE.md の例

# プロジェクト設定

## あなたの役割
あなたはマーケティング部門のリサーチアシスタントです。

## 作業ルール
- 成果物は必ず日本語で作成すること
- ファイル形式はMarkdown(.md)を使うこと
- 調査内容には出典(情報元)を明記すること
- 表やリストを活用して読みやすくすること

## 対象読者
マーケティング部門のマネージャー(非技術者)

ポイント: CLAUDE.mdは自由に書き換えられます。 プロジェクトや業務に合わせてカスタマイズしてみてください。


今日のまとめ

覚えたこと

項目内容
AIチャット vs AIエージェントチャット = 相談相手 / エージェント = 仕事を任せられる部下
ターミナルテキストでPCを操作する画面。pwd ls cd の3つでOK
Claude Code自分のPCで動くAIエージェント。claude で起動
権限確認AIが「やっていいですか?」と確認してくれる安全装置
CLAUDE.mdAIへの引き継ぎ書。毎回自動で読まれる

コマンド早見表

pwd                                   ... 今いる場所を表示
ls                                    ... フォルダの中身を一覧
cd フォルダ名                           ... フォルダに移動
cd ..                                 ... 一つ上のフォルダに戻る
mkdir フォルダ名                        ... 新しいフォルダを作る
node -v                               ... Node.jsのバージョン確認
npm install -g @anthropic-ai/claude-code  ... Claude Codeのインストール
claude                                ... Claude Codeの起動
/exit                                 ... Claude Codeの終了

次回予告

次回(Session 2)では、ファイルの管理方法(Git)チームでのAIエージェント活用 について学びます。

AIエージェントが作った成果物を、きちんと記録・管理して蓄積していくための仕組みです。

宿題(任意)

  • Claude Codeで自分の業務に関連するタスクを2つ実行してみる
  • CLAUDE.mdの内容を自分なりにカスタマイズしてみる
  • デスクトップの my-first-project フォルダに、どんなファイルができたか確認してみる

困ったときは

状況対処法
ターミナルを閉じてしまったもう一度ターミナルを開いてください。APIキーの再設定が必要です(ステップ5)
Claude Codeが動かないclaude と打って起動を確認。エラーが出る場合はAPIキーを再設定
コマンドを忘れたこの配布資料の「コマンド早見表」を見てください
ファイルがどこにあるかわからないデスクトップの my-first-project フォルダを確認してください